ボイストレーナー ブログ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
あなたが「やりたい」と思っていることは、
本当にあなたの「やりたい」ことですか?
それが自分の美意識から来るもの、心の深いところ
からわきあがる「やりたいこと」であればいいでしょう。
しかし、その「やりたいこと」が、他人の価値観やメディア
によって刷り込まれたものだったとしたら?
実は、自分で「やりたいこと」と思い込んでいるその正体は、
無意識で本当は望んでいない、やりたいとは思っていない
借り物の価値観であることが多いのです。
他人がやるから自分もやる。
人が欲しがっているから自分も欲しくなる。
流行っているから、自分も流行にのっかる。
さて、あなたはどうでしょう?
確かに、多かれ少なかれ他人の影響を受けるのが人間、
全く純粋なオリジナルな自分、やりたいことは存在しない
というのもまた事実
それを「欲望の三角形」で有名なフランスの学者ルネ・ジラールは
「欲望とは、自分が欲しいと思うからおこるものばかりではない。
自分とは別の誰かが欲しがるから自分も欲しくなる。
欲望は他人の欲望を模写することでうまれる。」
このように言っています。私もその通りだと思います。
おもちゃを手に入れるレベルであればそれでもいいでしょう。
しかし、あなたの根幹をなす大切な部分が安易に人の欲望
の模写であっていいはずがありません。
そうならないためにも、まず「自分は〜の影響を受けているんだ」
と気づくことが大切です。
そして、それが本当に自分の望んでいることか深いレベルで自問
して下さい。
その結果、確かに誰かの影響は受けているものの、それが心から
望むものであると再認識できれば、
それはあなたにとって本当にやりたいことでしょう。
「隣の芝生は青く見える」という諺がありますが、
人は自分がもっていないものに対して憧れる傾向が
あるということも知っておきましょう。
つまり、それが自分の望んでいないまやかしの「やりたいこと」
であったり、
自分がもっているもの(得意なこと)に目を向けず
幻想ばかり追い求めているとしたら・・・
是非、他人からのストレートな影響だけでなく、あなた自身で
あなたの「やりたいこと」「やりたくないこと」を再選択してください。
このプロセスを経ず、自分を見つめることを完全に放棄し、
さらには価値観までも他人に依存してしまう。
そして、そのことすら気づいていない。
こういうケースはやはり問題です。
この機会に、自分の心と対話する機会を持ってください。
そうはいっても、どうやったらいいんだろう?と思われるかもしれません。
いくつか手法はあるのですが、文面ではお伝えしきれるものでないので
何卒ご容赦を
(会員さんには、近いうちにワークを通じてこれに
取り組んでいただこうとも思っています。)
この作業をしておかないと、遅かれ早かれ、違和感を感じ
行き詰ることになります。
なぜなら、頭は騙せても、自分の心の奥底まで偽ることはできないからです。
心と身体が乖離していき、心や身体の病を引き起こす前に
是非一度ご自分と向き合って下さい。