世界標準のボイストレーニングとは何?

私は、試行錯誤しながら歌を学んでいく過程で、
バランスと基準の大切さを知りました。

これからお話すること、そしてBird Beakのレッスンは
全てこのバランスと基準が元になっています。

世界標準のボイストレーニング?
「ちょっと大袈裟なネーミングじゃない?」

そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。

大袈裟ついでにもう一言、言わせてください。

アメリカのボイストレーニングを制するものは、世界を制す!
アメリカのボイストレーニングを身につければ、世界を取ったも同じです。

では、なぜアメリカなのか?

理由その1

歌舞伎や能といえば、あなたはどこの国を思い浮かべますか?

そう、日本です。

日本の歌舞伎や能が世界の標準になります。

それでは、ロック、ポップス、R&B、ジャズ、ブルースの
世界標準といったらどこの国でしょう?

いうまでもなくアメリカです。

日本語で歌っていくから、俺、わたしには関係ないよ。
と思った方、ちょっと待ってください。

あなたや私が大好きなポップス、R&B、ロック、ジャズ
などの音楽はアメリカでうまれました。

いくら日本語で歌うといっても、それは洋楽がベースではありませんか?

そのベースの部分を無視して、日本語を無理にのせようとするから、
上っ面をなぞった、とってつけたようなものになってしまうのです。

逆を考えてみると、わかりやすいかもしれません。

たとえば、アメリカ人が歌舞伎をやりたかったら、
日本に来て学ぶのが一番の近道です。

そこで日本の伝統、文化を学び、技術を身につけます。

それからアメリカに戻り、自分なりの解釈を加え、
英語で歌舞伎を演じたとします。

ひょっとしたら、東洋と西洋の文化が融合した、
新しい歌舞伎が創造できるかもしれません。

アメリカ国内で、アメリカ人だけの歌舞伎サークルで学んでも、
日本人から見たら、それはお笑いでしかありません。

上の文章の言葉を入れ替えてみたらどうなるでしょう?

日本国内で日本人だけで洋楽をやっていても、
アメリカ人にしたら、それはお笑いにすぎない。

アメリカ人の音楽仲間から、はっきりそう言われました。

多くのアメリカ人は、日本の音楽界の状況(特にボーカリスト)
をこう見ているのです。

悲しいですが、それが現実です。

まず聞きたくない現実に耳をかたむけ、見たくない現実から目をそらさず、
直視してください。そこからやっとスタートがきれます。

何も私は、てばなしでアメリカを賞賛するつもりはさらさらありません。

もちろん、アメリカの音楽を含めたエンターテイメントは
素晴らしいし、大好きです。

だからこそアメリカへいったのですが、逆にアメリカの傲慢なところ、
嫌な部分も見てきました。

あとなんと言っても食べ物がまずい。(笑)

アメリカが良くて、日本が悪いということでもないし、
日本が良くてアメリカが悪いということでもありません。

これからは、東洋と西洋が結びつき、新たな価値を創造していく時代です。
私自身、日本とアメリカを行き来する中で、時代の変わり目を肌で感じています。

そして新しい時代の新しい価値を創るのは、あなたかもしれません。

そのためには、まず自分の国をよく知り、相手のいいところは素直に認め、
優れた技術を貪欲に学ぶことが大切です。

それぞれの良いところを取り入れて皆で進化していきましょう!

それでは、なぜアメリカのボイストレーニングなのか?

理由その2 「世界の情報はアメリカに集まる!」

歌のボイストレーニングは、まともなものであれば
クラッシックの発声法が元になっています。

「クラッシックはヨーロッパが起源じゃないの?」
と疑問に思ったあなたはスルドイ!

その通りです。

実際、クラッシックといってもその流派は多種多様です。

イタリア、ドイツ、北欧の各国がメインですが、さらに、
それぞれの国の中で流派はいくつにも分裂しています。

そして、それらの情報のほとんどがアメリカに集まっていきます。

なぜでしょう?

それは、アメリカがいま世界の中で、もっとも影響力のある国だからです。

話すと長くなるので、簡潔に言います。
実は、英語、経済、軍事力、移民の歴史などが背景にあります。

その結果、アメリカに集まった無数の流派、メソッドがぶつかりあい、
また新しい流派をうみだします。

そして我々が歌うロック、ポップス、R&B、ジャズなどと結びつき、
化学反応を起こし、今でも変化し続けています。

だから、本当はアメリカのボイストレーニングといっても
1つのものではないのです。

常にアンテナを張り巡らし、優れた情報をキャッチすることが大切です。
しかし、日本にいると、それらの優れた情報をキャッチしにくいのです。

日本は一見、情報が溢れているように思えますが、いくつかの分野で、
質の高い情報はほとんど入ってこないのが現状です。

ボイストレーニングやボーカルレッスンの分野もその一つです。

今のこの日本の状況を、情報鎖国という人もいるくらいです。
それくらい質の高い情報が入ってきません。

なぜ?

それはまた次回お話します。

前回のポイント

世界の情報はアメリカに集まる。
今の日本の状況は情報鎖国!
日本には質の高い情報が入ってこない。

なぜでしょう?

理由は2つあります。

1つ目は、アメリカでボイストレーニングのテクニックを学び、
それを日本に持ち帰り、広めようとする日本人が圧倒的に少ないこと。

そして、その少数の日本人のほとんどが、アメリカの音楽学校の中で
あったり、一人の先生のもとで学ぶため限られた情報しか入ってきません。

前にもふれたように、アメリカのボイストレーニングといっても多種多様です。

しかも、アメリカの人口は日本のおよそ2倍、
国土ときたら、なんと日本の25倍の広さです。

それゆえ、音楽学校などの閉ざされたコミュニティー
の中では、他の優れた情報をキャッチできません。

2つ目はアメリカではボイストレーニングや発声に
関する、優れた書籍がたくさん出版されています。

しかし、日本ではそれらのほとんどが翻訳されていないのです。

それもよい本に限って!

よい本は情報が詰まっているため、分厚くなる傾向があります。

しかも英語を日本語に訳すと、ページ数が増えてさらに厚くなります。

すると、読み手が敬遠するため出版社も発売に踏み切れません。

特に日本では、さらっと読める薄くて軽い本でないと売れないそうです。

出版社も企業ですので売れてなんぼの世界です。

売れないとわかっているものを、苦労して翻訳し出版するわけがありません。

日本で翻訳されている限られた本で、私がお勧めするのは
「The voice of the mind」と「ロックシンガー間違いだらけの発声法」です。

「The voice of the mind」は日本でも隠れた名著として知る人ぞ知る本になっていますが、
やはり550ページのボリュームですのでなかなか一般には受け入れられないようです。

興味のある人は出版元であるアップフロントブックスへお問い合わせ下さい。
(在庫もほとんどなく、重版も予定されてないようですので、手に入れたい方はお急ぎ下さい。)

また、Bird Beakでは、この本の実践版、教則CDを扱っていますので是非ご利用下さい。

「チェザリー教則CD」についてはコチラから!

もう一冊の本である「ロックシンガー間違いだらけの発声法」は
内容をけずって原書とほぼ同じ厚さにしていますが、優れた内容
にもかかわらず売れずに絶版に追い込まれました。

読まない方がいいような、どうでもいい教則本が版を重ね、
貴重な本が消えていく・・

この世の中、本当に不思議なことばかりです。

その貴重な本の著者である、マークバクスター氏の教則CD、
DVDも扱っていますので興味のある方はのぞいてみて下さい。

「マーク・バクスター教材セット」についてはコチラから!
このように、世界から大量に情報が入ってくるように思いますが、
実際には情報鎖国という言葉がぴったりあてはまる状況なのです。

これではますます格差が広がっていくばかりです。

続きは次回に・・・

前回、アメリカに情報が集中するのは、
英語、経済、軍事、移民の歴史が背景
にあるといいました。

特に英語はキーポイントですので、
ここでもう少し詳しくお話します。

英語は、もはや世界共通語になっています。

では自然とそうなったのでしょうか?

いいえ違います!

これは、特権階級の白人が自分たちの利益
になるよう、意図的に仕組んだ罠です。

英語を世界標準語にすれば、それを公用語
とする国が優位に立てます。

弱肉強食、パワーゲームの結果です。

英語を母国語としない日本が英語を学ぶため、
どれだけ多くの時間と労力をムダにしていることか!

しかも高校、大学をでてもほとんど使い物にならない。

その時間と労力をほかの事に使えば、国力も増し国が
栄えるというのに・・・

でも仕組まれた罠と時代の流れに逆らうことはできません。

音楽や映画のエンターテイメントの世界だけでなく、国際会議、政治の
交渉の場でも英語でのコミュニケーションはハンディがありすぎます。

言いたいことがあっても、日本語のようにいかないから
心理的にネガティブになっていきます。

すると、相手の目論みどおりやりたい放題にされてしまう・・・

アメリカは英語という「武力を用いず相手を負かすことができる」
武器を手に入れました。

ある意味、核兵器以上のパワーがあります。

だって、誰もそのことをあからさまに非難できないから

いってみれば真綿で首をしめるようなもんです。

私自身その罠にはまりました。

ただ指をくわえて眺めているのもしゃくに障ります。

どうせはまった罠です。

そこから、つかむものはつかませてもらいました。

何をつかんだかって?

それは次回の続きで!

さて、英語の罠にはまった私がそこから
何を得たかというお話でした。

それは、英語圏の人とコミュニケーションがとれること。
英語で歌えること。
英語の本が読めること。

ここまでじらしておいて、こんな当たり前の話じゃ
誰も納得しないでしょうね?

わかりました。じゃーここで種明かしを

実は英語の響きがボイストレーニングにいかせるんです。

外人は声が深いとよくいわれますが、
それはひとつの側面に過ぎません。

英語圏の人たちは、むしろ高い響きに特徴があるのです。

専門的にいうと周波数ということになりますが、まず日本語
と英語ではどう違うのか?という基礎知識からお話します。

周波数とは1秒間に繰り返される音の振動数のことで、
Hz(ヘルツ)という単位で表されます。

振動数が多いほど周波数は高く、少ないほど周波数は低くなります。

人間の耳に聞こえる周波数はおよそ16〜20,000Hzの範囲で、
これ以外の周波数を直接聞くことはできないそうです。

そして、それぞれの言語には、固有の周波数帯域があります。

例えば、日本語の周波数は、125〜1,500Hzであるのに対し、
英語はなんと1,000HZ〜13,000HZという高周波で話されています。
(英語は米語より高い周波数域帯が使われています。)

なんと日本語は、世界で最も低い周波数帯域を持つ言語の1つで、
逆に英語は、世界で最も高い周波数を持つ言語なのです。

そして、英語と日本語の周波数を比べてみると、なんと共通する
部分が1,000〜1,500の部分しかないことがわかります。

このことから、英語と日本語はまったくかけ離れた言語であるといえます。

本当に同じ地球人なのかと思うほどです。(笑)

どおりで我々日本人にとって英語が難しいわけです。

ここからちょっと面白い私の実体験をお話します。

私がアメリカに住んでいたとき、ロシア出身の
ボーカリストと知り合いになりました。

アメリカにきてからまだ2年ちょっとの19才の女性でした。

あまりにも流暢な英語を話すので、私ははじめ
彼女のことをアメリカ人とばかり思っていました。

ここまで英語の発音がパーフェクトなら
何か特別な上達法があるに違いない。

そう思い彼女からその秘訣を聞き出そうとしました。

「どうやったら君みたいに英語が上手くなるの?」

そして、返ってきた答えは・・・

彼女「基本的な日常会話の本と、それについていたテープを覚えただけ」

私「・・・・・・本当にそれだけ?」

彼女「うん、それだけ。」

私「・・・・・・・・・・・・・」

落ち込みましたね、所詮、才能やセンスの差かと
言語の周波数について知るまでは。

そうだったんです周波数だったんです。

ロシア語は125〜12,000Hzにわたる
幅広い周波数域の言語だったのです。

そう、ロシア語は日本語と英語の周波数域をもカバーしているのです!

ロシア人は語学が得意な国民であるという話を後から
知って、彼女が英語の上手いわけがやっとわかりました。

そういえば、彼女に教えた片言の日本語を、まるで日本人
のような発音で話すので、ビックリしたことも思い出しました。

そしてこの周波数を知ってから、更なる驚愕の事実がわかりました。

これこそがボイストレーニングにいかせるのです!

その正体とは?
次回につづく。

さて、今日はちょっと小難しい話になりますが、お付き合い下さいね!

前回、日本語と英語はまったくかけ離れた言語であるといいました。

つまり、日本語とは全く異なる英語の周波数帯域をマスターしない限り、
どんなに単語や会話のフレーズをおぼえても、英語の高周波数帯域で歌う
ことはおろか、話すことも、聞き取ることもできないわけです。

日本人が洋楽を歌っても(英語、日本語にかかわらず)さまにならない
理由がここにあります。

やはり、アメリカに留学するとか、そこで生活をして
身につけていくしか方法はないのでしょうか?

いや、そんなことはありません。

アメリカに留学や駐在しても、この事実や解決法を知ら
なければ、ほとんどの日本人が身につけることはできません。

実は、無駄な努力をしないで、効率よく英語の周波数帯域
を身につける方法があったのです!

英語の高い周波数の特徴は、破裂音(pやtなど)
や摩擦音(sやfなど)などの子音にあります。

もちろん、それらも大切なのですが、
まず母音が言葉の基盤になります。

母音を発声するとき、その種類によって、
それぞれ口の形、舌の位置や形が変わります。

これによって、各母音の特有な共鳴がおこり、
強くあらわれる倍音をフォルマントといいます。

話し声の高次フォルマント(基音の上に重なるいくつかの倍音)
は、かなり分散していますが、

歌うときの高次フォルマントは、2,000〜4,000Hz
の間に集中するといわれてます。

その中でも、2,800Hzあたりの倍音はとても大切で、
他の音の中で埋もれず、際立って聞こえるという特徴があります。

つまり、バンドの音にかき消されない、マイクのりのよい声、
感情豊かな声とは、この倍音を含んだ声といってよいでしょう。

この倍音を身につけるその他のメリットは、喉にかかる負担を軽くして、
体の緊張を開放する効果があります。

一言で言えば、最小限のエネルギーで最大限の効果をあげるということです。

私はこれを省エネ唱法といってます。

体を硬くして、力任せに声をだすことを否定している理由はここにあります。

これを身につけることは優れたボーカリストの必須条件です。

ここまでお話ししてきて、皆さん何か気づきませんでしたか?

ちょっと前回を思い出してみてください。

日本語の周波数は、125〜1,500Hzでしたね。そして、歌うときの
高次フォルマントは、2,000〜4,000Hzの間に集中するということでした。

そう!日本語の周波数には、歌うときの高次フォルマントが含まれていないのです!

そもそも、言語の周波数帯と、歌うときの高次フォルマントを一緒の考えることは、
多少無理があるかもしれません。

しかし、日本語は、英語の周波数帯(歌うときの高次フォルマントをもともと含んでいる)
と比べて不利であることは否めない事実だと思います。

でも、がっかりしないで下さい。

いくつかのテクニックを組み合わせてボイストレーニングに励めば、
私たちが本来もっていない周波数域を、後天的に身につけられること
がわかったのです!

あるテクニックをボイストレーニングと組み合わせて練習する
→英語の発音がよくなる
→さらにボイストレーニングが上達する
→英語の発音がさらによくなる。

あとはこの繰り返しで好循環のスパイラルを描いていくだけです!

そして、英語だけでなく、日本語で歌うときも、英語の響きを
日本語に応用することで、とても歌いやすくなるのです。

では、効率よく英語の周波数帯域や、歌うときの
高次フォルマントを身につける方法とは何か?

それは、今後配信を予定しているメルマガなどでご紹介
していくつもりですので楽しみにお待ち下さい!

次回はいよいよ「世界標準のボイストレーニングって何?」の最終回です。

私たちが目指している、本当の世界標準とは?です。

それでは次回、お楽しみに!

「世界標準のボイストレーニングって何?」もいよいよクライマックス

これまで、アメリカがどうだとか、英語がなんだとか、そんなことを中心にお話し
してきたので、世界標準のボイストレーニング=アメリカのボイストレーニングと
思われる方もきっといらっしゃると思います。

でも、私のいう世界標準とは、もう少し意味が深いのです。

世界標準のボイストレーニング > アメリカのボイストレーニング

という感じでしょうか!?

そのわけは・・・

私がアメリカでボイストレーニング、ボーカルレッスンを受けていたとき、
先生の一人に、3Aという言葉を口癖のように言う人がいました。

3Aとは、Accept(受け入れる) Apply(用いる)、Adapt(応用する)、
の三つの単語の頭文字をとったものです。

いつも、繰り返し言われるものだから「あーまた3Aね、そんなことわかってますよ」
と心の中でつぶやいていました。

そんな私に、おかまいなしに先生は続けます。
「特に、今はAccept(受け入れる)の時期だから、言われるとおりにやりなさい!」

そんなこんなのやり取りが続くある日、ふと手に取った、
日系コミュニティーが発行している雑誌の記事に目がとまりました。

その記事の見出しに大きく「守・破・離」(しゅ・は・り)という文字が書いてありました。
それまで、耳にしたことはあったものの、その意味は知りませんでした。

「守・破・離」とは、千利休の"利休百首"の中の一つ
 「規矩作法 守り尽くして 破るとも 離るるとても もとを忘るるな」

現代風に訳すと 「決まりや、お手本を忠実に守った後、それらを破り離れることになっても、
基本を忘れてはいけない。」といったところでしょうか。


このうたから「守・破・離」という言葉がうまれ、
芸能や武道の世界で使われるようになったそうです。

そして、道を極める、成長の過程を「守」「破」「離」の三つの段階に分け、

第一段階、「守」は、ひたすら教えを守り実行する。最初は何をしたらいいか
       そのよりどころがないため、とりあえず型を守る。

第二段階、「破」は、既存の教えや、決まりごとから抜け出して、教えの中から
       自分に合わないものをそぎ落とし、工夫をこらす。

第三段階、「離」は、基本の教えや、決まりをベースに、自分のオリジナルのスタイルを築く。

この瞬間、お世辞にも、いいとはいえない私の頭が高速で回転し、
シナプスとシナプスがつながり「3A」と「守・破・離」が結びつきました。

そうだったのか!先生の言ってたことは、こういうことだったのか!

自分では、そういうつもりはなかったのですが、日本で教わったボイストレーニングの
やり方にまだ固執して、頭でっかちになっていた私を、先生はお見通しだったのです。

だから「今はAccept(受け入れる)の時期だから、言われるとおりにやりなさい!」
と私にいい続けてくれたんだと思います。

今思うと、私はほんとうに扱いにくい生徒だったと思います。(先生、ゴメンナサイ!)

これには後日談があります。

次のレッスンで、このことを話すと、先生はニコッと笑い言いました。

「私が言いたかったことは、まさにそのことです。

実は日本のその言葉に影響を受けたんです。」と・・

いやー、ゾクッとしましたよ。シンクロニシティーとはこういうことなのかなと

そして、アメリカ人の先生が知っていて、日本人の私が知らなかったなんて・・・
恥ずかしかったー、穴があったら入りたかった。

自分はなんのためにアメリカにきたんだろう・・

根本である自分のアイデンティティーがなく、うわべのテックニックを
追い求めていた自分を恥じました。

この頃からです。バランス感覚を意識しだしたのは。

アメリカ人のボーカリストはヨガや瞑想をやっている人が多いんです。

彼らも気づいているのかもしれません。科学やテクニックがいきついたら、
心や精神的なものが必要だと。

現代の日本人は、変なところまでアメリカナイズされ、
本来持っていた素晴らしい精神性まで失いつつあります。

とても、もったいないことだと思います。

アメリカ人がその重要性に気づきはじめ、日本人が失いつつある、皮肉なもんです。

(あくまでもそういう傾向があるということで、アメリカ人だから、日本人だから、
ということではなく、この地球上の人間が二極化していくように思えてなりません。)

今回が「世界標準のボイストレーニングって何?」の最終回のつもりでしたが、
書き始めたら、とまらなくなりました。

ということで次回こそ?最終回のつもりです。

私が、影響を受けたもう一つの日本の言葉、そしてバランスの話をせずに
「世界標準のボイストレーニングって何?」を締めくくることはできません。

というわけで、また次回お会いしましょう。

さて、いよいよ今日は最終回!

守破離に影響を受けた私の先生、ヨガや禅をやっているアメリカ人ボーカリスト、
今、彼らの多くは東洋の思想に飢えています。

私がアメリカから日本に帰国するとき、不用品をガレージセールで売ったんです。

そしたら、どこからともなく人が集まってきて、日本からお土産用に持ってきた
扇子や、書道の本などが、ほとんど言い値で売れる売れる!

アメリカ人って結構日本的なものに興味があるんだ、と実感しました。
お蔭様で、引越し代の足しになりました。(笑)

そして、その頃、アメリカの一部の俳優のあいだで、ヨガが流行っていました。

それが時を経て、ハリウッドヨガやパワーヨガというかたちになってアメリカや
日本でこれほどブレークするとは、当時は夢にも思いませんでした。

時代はアメリカ主導から東洋的精神性へとパラダイムチェンジ(価値観の転換)
していく過渡期のように思えてなりません。

ただ、完全に入れ替わるのではなく、東洋と西洋のそれぞれのいいところを結びつけ、
絶妙なバランス感覚を保って機能していくと思います。

ハリウッドヨガ、パワーヨガも、西洋の合理性と東洋の思想をミックスしたものの一つです。

企業だってそうです。旧体質の日本的な企業の有様は、ご存知のとおり
ニュースや新聞をにぎわせています。

逆に、アメリカのノウハウを、なんのアレンジもなしに、そのまま
日本に持ってきた企業の多くは撤退を強いられています。

やはり、アメリカの合理性と日本的手法が上手くかみ合った企業がうまくいってます。

医学は、体を全体で捕らえる東洋医学、体を細分化し部分で解決する
アプローチを取る西洋医学、今この二つを統合する試みが始まっています。

ボイストレーニングも、喉頭、共鳴、呼吸など部分的な問題を解決していく
西洋的な方法と、体全体から修正していく、東洋的な考え方の両方向からの
アプローチが、次の時代のボイストレーニングの常識になります。

東洋のノウハウと西洋のノウハウの「統合」、これが一つ目のキーワードです。

これからは、どちらか一方だけの二項対立的な考えではダメです。

守破離と同様、ここで踏まえておきたいもう一つの日本の言葉があります。
それは芭蕉の不易流行(ふえきりゅうこう)という言葉です。

変わらないものを踏まえて、変わるものを追いかけるといった意味です。

ボイストレーナーのなかには、クラッシックの伝統的な発声法を学ぶべきだと
主張する人もいれば、いま流行っている最先端のテクニックを身につけるべきだ
という人もいます。

でも、これもどちらか一方だけで考えること自体、そもそも間違っています。
それらが車輪の両輪のようにそろって初めて物事は前に進みます。

そうです。伝統(不易)と最先端(流行)、このバランス感覚が大切なのです。

この「バランス」が二つ目のキーワード!

そして、古くからある東洋の精神性と西洋の最先端の科学のバランス、
やはりどちらかに偏りすぎてはアウトです。

精神的なものは、一歩間違えると、危ない方向に進んでいく危険を常にはらんでいます。

だからといって科学に全幅の信頼をおくかといったらそうではありません。

科学とは所詮人間が考えた理論です。

将来くつがえることだって十分考えられます。

太陽が地球の周りを回っていることが常識と思われていた天動説が覆ったように・・・

今の科学は万能じゃありません。

実際、喉頭の筋肉の動き方だって、専門家によって言うことがちがいます。

いろいろリサーチしましたが、実は、どれが本当かまだわかってないのです。

しかし、経験を積んで、トライ アンド エラーを繰り返すことによって、
どれが正しい動きか、おおよそわかってきます。

科学理論でわかっていることは最大限利用しますが、それにとらわれすぎないことです。

だから、どんな物事に対しても、完全に否定もしないし、肯定もしない。

このバランスの取れたスタンスで物事をとらえるのです。

いろいろとグダグダ言ってきましたが、要は統合とバランスを意識し、
守破離という過程を経るということです。

私のボイストレーニングの考え方はこれがベースになっています。

★「守」 アメリカのテックニックを学ぶ。

★「破」 統合とバランス。 テクニック⇔心、東洋⇔西洋、伝統⇔最先端、基本⇔応用、
  原則⇔例外、etc,,,,,

★「離」 あなたというオリジナルな世界標準をつくる。

そう!私たちが目指す、本当の世界標準とは、あなた自身が世界標準になることです。

そして、誰も真似することができない、唯一無二の存在になることです。

そのために、とどまることなく進化し続けるのです。

最期にこの言葉を贈ります。

最も強いものが、生き残るのではなく、
最も賢いものが、生き延びるのでもない。
唯一生き残るのは、変化できるものである。
(ダーウイン)

いかがでしたか?8回シリーズでお届けしてきました、世界標準のボイストレーニングってなんなの?
もこれでひとまず終わりです。

是非、あなたのご感想を聞かせてくださいね!

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ジョン・ノヴェロ(ナイアシン)

"I highly recommend Tomoaki Yasuda as an excellent vocal instructor.
He really knows his craft!"
John Novello

「やすだともあき氏は最高のボーカル・インストラクターとしてお薦めできる方です。
彼は歌唱という特殊な技術を完璧に理解している。」

ジョン・ノヴェロ(ナイアシン)

マーク・バクスター

マーク・バクスター

"Tomoaki is a gifted and dedicated teacher of singing.
His knowledge of technique is outstanding.
Anyone looking to improve their vocal skills would be well served by this inspiring teacher." 
Mark Baxter

「ともあき氏は才能に満ち溢れているだけでなく、情熱を持ったボイストレーナーだ。
彼は飛び抜けた知識と技術を持ち合わせている。
自分のボーカル技術を上達したいと思っている人は必ず彼から多くを学べるはずだ。」

マーク・バクスター

トレーシー

トレーシー・ミェン・ルイス
▼最新動画
http://youtu.be/7bpwCA171vA

"Tomoaki Yasuda's passion for teaching is rare. 
He
is dedicated to bringing the best in vocal technique to his students,
insuring the student has a complete understanding of their instrument
and how to use it.
He is a wonderful instructor and an great asset to the vocal community as a whole."
- Tracee Meyn

「やすだともあき氏がボーカル・トレーニングに注ぐ情熱は他に類を見ないほどだ。
彼はその情熱的な姿勢で会員に最高のテクニックを伝授する。
また、その技術を完全に理解するよう丁寧な指導を心がけている。
氏は優れたインストラクターだけでなく、ボーカル界にとって大きな財産である。」

トレーシー・ミェン・ルイス

会員さんの声

■ 数多くあるボイストレーニングの学校の中から、BBを選んだのは、先生の声に対する考え方に深く共感したからです。

是非入会したい!と思った時は、生徒の募集をお休みしていたため、他のスクールに通っていました。

 
以前通っていたスクールでは、お腹で支える!の一辺倒で教えていたので、講師の方々が、どうしても喉に力が入ったような声を出していましたし、習っている生徒さんたちもみな同じでした。
 
納得できずに、結局辞めてしまい、歌うことも止めてしまいました。
 
しかし、偶然にまたBBのHPにたどり着いたとき、再度生徒の募集をしていたので、慌てて入会しました。
 
実際にレッスンを受けてみて、の私の感想ですが、まず、とても信頼できます。
 
これが一番大切で、そして全てです。
 
先生が、確かな耳を持ってらっしゃる。
 
そして確かな技術を持ってらっしゃる。
 
だから私の声の出し方のどこが悪くて、どうしたら改善できるのか、的確なアドバイスをすることができる。
 
もう本当にこれが全てです。
 
毎回、声の出し方について、少しづつ理解が深まって、レッスンの後は、とてもハッピーな気持ちになります。
 
一度は歌うことをやめてしまいましたが、安田先生と出会って、また基礎から習い始めることができて、本当にラッキーだと思っています。
 
少しづつですが、理想の声に近づけるよう、これからも頑張っていきたいです。
(K,Eさん 千代田区)
 
 
■ 喉に力が入ってしまって、1曲すら歌いきることが困難というのが私の悩みでした。
 
HPでbirdbeakの存在を知り、体験カウンセリングに行くことに決めました。
 
無料体験レッスンというものがたくさんあるなか、そうではない有料のレッスンに惹かれたのは、HPから何らかの力、引き寄せる力を感じたからだと思います。
 
体験カウンセリングに私は1分半ほどのデモ曲を持参しました。
 
自分の出来るすべてを、すべての知識をそこに凝縮して録音しました。
 
そして、そのたった1分半のデモを安田さんに聴いていただきました。
 
そしたらなんと、即座に4つ5つとアドバイスの言葉が私の耳に届きました。
 
今まで悩んでいて、何をしたらうまくなるのかわからずにいたのに、一瞬にして解決の方法を見出した安田さんには本当に驚きました。
 
そして感動しました。
 
本物に出会えたと思いました。
 
レッスンに通い始めの頃は、正直、新しいアイディアに戸惑いました。
 
頭ではわかっていても、実際に出来るかといったらそうでなかったからです。
 
頭でわからないことすらありました。
 
固定観念があったからです。
 
わからないことは何でも、そして何度も同じ質問をわかるまで質問しました。
 
その都度、安田さんは丁寧に様々なアイディアで教えてくださいました。
 
今私は、レッスンに通い始めて約1年になります。
 
頭でわかっていることと、出来ることのギャップがやっと埋まってきているところです。
 
以前のように何をしたら良いのかという悩みは無く、日々正しい方向に努力できるくらいにまでなりました。
 
もちろんまだレッスンによるアドバイスが必要な段階ですが。
 
昔、力いっぱい歌って録音したものと、今、力を抜いて歌ったものを比べると、明らかに変化があります。
 
今のほうが聴きやすい、そして何より歌いやすい。
 
いかに無駄なことしていたかがわかります。
 
しかも喉を痛めていました。
 
今は、歌っても疲れない、喉が痛くならない、ということが嬉しくて仕方ありません。
 
入会前の悩みはもちろん無く、今の悩みは歌いすぎによる近所迷惑を心配するくらいです。
(M,Iさん 千葉市)
 
 
■ Bird Beakで安田先生のレッスンを受けるようになって3か月半になります。
 
たったそれだけの期間なのに、自分の口の中や喉における意識が格段に上がりました。
 
具体的に言うと、固まりだったものが、現在10くらいにパーツ分けされて、それをある程度ばらばらに動かせるようになってきた、という感じです。
 
これからもっともっと細分化していくんですよね?楽しみです。
 
以前のボイトレでは「お腹から声を出せ」以外に、どこをどうすればいいとはちゃんと教えてもらえず、まぐれでいい声が出ると「その状態をおぼえておくように」・・・。
 
それを習いに行ってるんじゃん!!
 
のどを壊す前に、安田先生に出会えて本当によかったです。
 
1日も早く、今歌っている声と、ここで学んでいることが歩み寄って、素敵な歌が歌えるようになることを祈りつつ、今日も練習します^^
 
そうそう、この三日坊主の私が、ほぼ毎日、安田先生に習ったことを復習してるんです。
 
そうさせる何かも、ここのレッスンにはあるんですね。
(ウクレレリンコさん 市川市)
 
 
■ 大阪から毎月2回通っています。
 
交通費のほうがレッスン料を上回りますが、それでも通う価値があります。
 
こちらが一生懸命に練習し、成果を出せば出すほど、無限のアイディアと方法を与えてくれ、先生の引き出しの多さにはいつもビックリさせられます。
 
おかげさまで、自分の夢の実現まであと一歩のところに来ました。
 
本音を言えば、今いる会員だけで独り占めしておきたいです。
 
だからあまり多くの人に入会してもらいたくありません。
 
やる気のない人は来てもあまり意味はないでしょう。
(Y,Sさん、大阪)

ボイストレーニング教室

世界標準の
ボイストレーニング・ボーカル教室 Bird Beak

東京、横浜、大阪、名古屋、京都、福岡、札幌などに会員がいらっしゃいます。

代表プロフィール

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やすだ ともあき

ボイストレーニング・ボーカル教室Bird Beak 代表2度に渡る長期アメリカ滞在(3年)でアメリカ人プロシンガー、ボイストレーナーのレッスンを受け、トレーニングの教授法も学ぶ。
多くのプロミュージシャンとのセッション、ライブ活動を経て帰国。アメリカ人ミュージシャン、音楽関係者との親交も深い。
渡米ライブ、アメリカ人ボーカリストへの指導経験もある。 NATS(全米歌唱指導者協会)会員

アメリカに20年は後れている日本のボイストレーニングに、新しい価値を伝えることを使命とする。

ボイストレーニング、ボーカルスクールの裏事情を知り尽くした「やすだ」が、いま本物の情報を提供する!